台東区(浅草・上野・鶯谷・三ノ輪・浅草橋 周辺)のオススメ銭湯特集
台東区には魅力的な観光地がたくさんありますが、ちょっと観光に疲れてしまったら、銭湯に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。全身の疲れがほぐれて気持ちがリフレッシュし、もしかしたら地元の人たちとの楽しい出会いもあるかもしれません。銭湯は、人情味溢れる人々との出会い場でもあります。「行った事がないから不安だな…」という方も安心して銭湯へ行けるように、精一杯ご紹介させていただきます。
INDEX
- 01台東区には銭湯がいっぱい!
- 02アート空間としての銭湯!?
- 03銭湯の料金は?(2024年8月現在)
- 04銭湯に行く時の持ち物は?
- 05マナーを守って銭湯を楽しもう!
- 06さあ、台東区の銭湯に行ってみよう!
- 07浅草・上野・鶯谷・三ノ輪・浅草橋 周辺の銭湯MAP
- 08・「朝湯が楽しめる!国指定「登録有形文化財」の老舗銭湯」=燕湯(つばめゆ)
- 09・「浅草寺の観音裏にある立派な宮造り銭湯」:曙湯(あけぼのゆ)
- 10・駅近!伝統と新しさを併せ持つ宮造り銭湯:東上野・寿湯(ひがしうえの・ことぶきゆ)
- 11・お風呂のテーマパーク!?駅近で都内最大級の銭湯:ひだまりの泉萩の湯(ひだまりのいずみ・はぎのゆ)
- 12・せっかく浅草に来たら天然浅草温泉に入ろう!:堤柳泉(ていりゅうせん)
- 13・プチ贅沢な極楽気分!下町のラグジュアリー銭湯:改栄湯(かいえいゆ)
- 14・樹齢1000年以上!?古代檜風呂で楽しむ100%天然温泉銭湯:日の出湯(ひのでゆ)
- 15・これぞレトロ銭湯の代表格!派手さはないけれど愛され続けてきた銭湯:鶴の湯(つるのゆ)
- 16・薪でお湯を沸かすレトロ銭湯!お湯が柔らかくて冷めにくいと評判:帝国湯(ていこくゆ)
- 17<取材後記>
台東区には銭湯がいっぱい!
現在、台東区内には21軒(1軒は休業中)の銭湯があります。昔懐かしいレトロな銭湯から、天然温泉が湧き出る銭湯、豪華なラグジュアリー銭湯、薪でお風呂を沸かす銭湯まで、その種類は様々。
最近は、ご自宅にお風呂がある家が増えて、常連さんが減り、銭湯の数も減少しているそうですが、銭湯の大きなお風呂は家のお風呂とは全然違う開放感と気持ちよさがあります。
それぞれの銭湯に特徴があり、良さがありますので、あちこちの銭湯を巡って楽しむのもオススメです。
アート空間としての銭湯!?
銭湯は、体をキレイにする目的があるのはもちろんですが、お風呂以外にも楽しむ要素がたくさんあります。
♢ポイント①建物
東京都の古い銭湯は、寺社仏閣のような宮造り建築が特徴です。時代に合わせて外観をリニューアルした銭湯もありますが、昔の趣を残している懐かしい銭湯も多く残っていて文化財としての価値もあります。燕湯や曙湯で見られるようなロビーの「格天井(ごうてんじょう)」のカーブの部分などは、現代の大工さんにはなかなか再現できない貴重なものだそうです。
時代を経て、オシャレモダンに改装されている銭湯もあります。
東京都の古い銭湯は、寺社仏閣のような宮造り建築が特徴です。時代に合わせて外観をリニューアルした銭湯もありますが、昔の趣を残している懐かしい銭湯も多く残っていて文化財としての価値もあります。燕湯や曙湯で見られるようなロビーの「格天井(ごうてんじょう)」のカーブの部分などは、現代の大工さんにはなかなか再現できない貴重なものだそうです。
時代を経て、オシャレモダンに改装されている銭湯もあります。
♢ポイント②背景画
「背景画」と一口に言っても、ペンキ絵、タイル絵、モザイク画…とさまざまです。一般にイメージされるのは、富士山の絵だと思いますが、同じ富士山であっても実はどこも違います。スカイツリーやゴジラが一緒に描かれている富士山、富士山ではなくアルプス山脈のような爽やかな外国らしき風景、お客に「コイコイ」と招いているような立派な鯉の絵…と実にさまざまです。
ゆったりとお風呂に浸かりながら、背景画が作る空間の雰囲気全体を体感してみましょう。
「背景画」と一口に言っても、ペンキ絵、タイル絵、モザイク画…とさまざまです。一般にイメージされるのは、富士山の絵だと思いますが、同じ富士山であっても実はどこも違います。スカイツリーやゴジラが一緒に描かれている富士山、富士山ではなくアルプス山脈のような爽やかな外国らしき風景、お客に「コイコイ」と招いているような立派な鯉の絵…と実にさまざまです。
ゆったりとお風呂に浸かりながら、背景画が作る空間の雰囲気全体を体感してみましょう。
♢ポイント③お庭
小さなお庭がある銭湯もチラホラあります。小さな日本庭園を眺め、火照った体を涼めながら、ホッと一息。極楽、極楽〜。
小さなお庭がある銭湯もチラホラあります。小さな日本庭園を眺め、火照った体を涼めながら、ホッと一息。極楽、極楽〜。
♢ポイント④銭湯オリジナルグッズ
グッズに力を入れている銭湯も多々あります。オリジナルのタオルやTシャツ、サウナキャップや、マスコットキャラクターのグッズまで。そこの銭湯でしか売っていないものもありますので、お見逃しなく。
グッズに力を入れている銭湯も多々あります。オリジナルのタオルやTシャツ、サウナキャップや、マスコットキャラクターのグッズまで。そこの銭湯でしか売っていないものもありますので、お見逃しなく。
銭湯の料金は?(2024年8月現在)
東京都の銭湯は、一律で料金が定められています。
・大人[12歳以上] 550円(税込)
・中人[6歳以上12歳未満(小学生)] 200円(税込)
・小人[6歳未満(未就学児)] 100円(税込)
また、東京都の銭湯どこでも使える「東京都共通入浴券(※)」は、10枚綴りで5,000円(税込)。
東京都内の銭湯で利用できます。1年に10回以上は銭湯に行くという方は、こちらがお得。
7月1日から1年間有効で、毎年6月30日が有効期限なのでご注意ください。
(※)2024年7月1日〜
銭湯に行く時の持ち物は?
① 小銭
入浴料だけでなく、ドライヤーが有料な銭湯も多いので、10円玉も多めに持っていくと便利です。
サウナも別途料金がかかります。
② タオル
銭湯でも購入できます。
③ 必要な洗面用具
銭湯によっては、シャンプーやリンスなどのアメニティを置いていないことがあります。
受付で購入もできますが、使い慣れたものが安心かと思います。
④ 濡れたタオルや汚れ物を入れるビニール袋
⑤ (髪が長い人は)ヘアゴム
髪をまとめて、湯船に髪の毛がつかないようにしましょう。
マナーを守って銭湯を楽しもう!
銭湯は、みんなで利用する公衆浴場です。他の人への思いやりを持って、キレイに使用することを心掛けましょう。
みんなでマナーを守れば、心も体も銭湯もピカピカに綺麗です。
♢お風呂屋さんたちに、困り事を聞いてみました。
(筆者の質問)「最近、困ったお客様はいましたか?」
・お風呂屋さんA
「タオルで体を拭かないで、びしょびしょに濡れたまま上がって椅子に腰掛けるお客さんがいて注意したよ。」
→タオルで体をしっかり拭いてから、脱衣所を利用しましょう。椅子に座るときは、裸のままで直に座らないこと。下着や衣類を身につけてから座りましょう。
・お風呂屋さんB
「どうしてもスマホが手放せない人が多く、脱衣所でスマホを使用する人がいるよ。カメラも付いているから、他のお客さんが嫌がるし、気をつけてほしいね。」
→カメラの付いている機器の使用は厳禁です。脱衣所を出てから使用しましょう。
・お風呂屋さんC
「最近の人たちは、銭湯をサウナのような入り方をするお客さんが多くて、本当は嫌だけど、もうしょうがないのかなって半ば諦めているよ。」
→銭湯は多くの人たちが日常で利用する公衆浴場ですから、一日中居座っていいわけではありません。譲り合いながら、90分以内くらいには出ましょう。
・お風呂屋さんD
「浴室で他の人のシャワーのお湯がかかったとか、濡れたまま脱衣所に入ったとか、そういうことが原因で、お客さん同士が喧嘩しちゃうトラブルもあったよ。」
→銭湯はリラックスする場所ですから、ゆったり、ゆったり。お互いに譲り合って、優しい気持ちで銭湯を利用しましょう。
・お風呂屋さんE
「長湯をしすぎてフラフラになってお風呂から上がってきたお客さんがいたので、『水をしっかり飲みなね』と声をかけたけれど、『大丈夫、大丈夫』と言って飲まないんだ。本当に心配になっちゃうよ。」
→お風呂に入ると、ご自身で思っている以上に汗をかきます。入浴前と入浴後には、しっかりと水分補給をしましょう。倒れてしまうと、ご自身が苦しいだけでなく、皆さんに心配をかけてしまいます。
(筆者の質問)「最近、困ったお客様はいましたか?」
・お風呂屋さんA
「タオルで体を拭かないで、びしょびしょに濡れたまま上がって椅子に腰掛けるお客さんがいて注意したよ。」
→タオルで体をしっかり拭いてから、脱衣所を利用しましょう。椅子に座るときは、裸のままで直に座らないこと。下着や衣類を身につけてから座りましょう。
・お風呂屋さんB
「どうしてもスマホが手放せない人が多く、脱衣所でスマホを使用する人がいるよ。カメラも付いているから、他のお客さんが嫌がるし、気をつけてほしいね。」
→カメラの付いている機器の使用は厳禁です。脱衣所を出てから使用しましょう。
・お風呂屋さんC
「最近の人たちは、銭湯をサウナのような入り方をするお客さんが多くて、本当は嫌だけど、もうしょうがないのかなって半ば諦めているよ。」
→銭湯は多くの人たちが日常で利用する公衆浴場ですから、一日中居座っていいわけではありません。譲り合いながら、90分以内くらいには出ましょう。
・お風呂屋さんD
「浴室で他の人のシャワーのお湯がかかったとか、濡れたまま脱衣所に入ったとか、そういうことが原因で、お客さん同士が喧嘩しちゃうトラブルもあったよ。」
→銭湯はリラックスする場所ですから、ゆったり、ゆったり。お互いに譲り合って、優しい気持ちで銭湯を利用しましょう。
・お風呂屋さんE
「長湯をしすぎてフラフラになってお風呂から上がってきたお客さんがいたので、『水をしっかり飲みなね』と声をかけたけれど、『大丈夫、大丈夫』と言って飲まないんだ。本当に心配になっちゃうよ。」
→お風呂に入ると、ご自身で思っている以上に汗をかきます。入浴前と入浴後には、しっかりと水分補給をしましょう。倒れてしまうと、ご自身が苦しいだけでなく、皆さんに心配をかけてしまいます。
さあ、台東区の銭湯に行ってみよう!
台東区には現在21軒(1軒は休業中)の銭湯がありどこもオススメですが、この記事では、
①「歴史や伝統を感じることができる銭湯」
②「ユニークな特徴がある銭湯」
③「地元に愛される隠れ家的な銭湯」の3つの項目に分けてご紹介しましょう。
浅草・上野・鶯谷・三ノ輪・浅草橋 周辺の銭湯MAP
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ポイント①「歴史や伝統を感じることができる銭湯(3選)」
台東区には、昔ながらの趣を残す銭湯が残っています。
寺社仏閣を思わせるような宮造り建築は東京の銭湯の特徴で、建物の風情や歴史・伝統を感じたい方にオススメ。
- 燕湯
- 曙湯
- 寿湯
・「朝湯が楽しめる!国指定「登録有形文化財」の老舗銭湯」=燕湯(つばめゆ)
燕湯は、銭湯では東京都初の国指定「登録有形文化財」に指定されており、昭和25年に建てられたものである。脱衣場から天井を見上げると、立派な格天井が広がっていて、昔の職人さんたちの技術の高さに惚れ惚れする。昔ながらの「番台」もある貴重な銭湯だ。
燕湯は、創業当時からの伝統で、朝湯(朝6:00〜)が楽しめる銭湯としても有名である。地下水をガスでゆっくり沸かすので、朝イチのお風呂の温度はとても熱い。朝は、常連のお客さんだけでなく、朝早く東京に着いたという旅行客や、出勤前のサラリーマンたちにも人気だ。
浴室には、銭湯絵師・中島盛夫さんの描いた巨大な富士山の背景画が広がり、湯船には、本物の富士山の溶岩石を使用したという山(富士塚風)があしらわれ、そこから滝が流れているように描かれている。さながら露天風呂に入っているかのような気分になる。2種類の湯船はそれぞれ深さが違い、深い方はジェットバスになっている。
最近、戦前の燕湯の写真が発見されたというので見せてもらい、掲載のご許可をいただくことができた。戦前の東京の銭湯は、空襲や震災等で焼失していることが多いので、貴重な一枚だ。現在の燕湯は2階が住居になっているが、戦前は2階部分も吹き抜けになっていたようだ。奥に「燕湯」と書かれた煙突も見える。
[燕湯の店舗情報]
住所:台東区上野3-14-5
TEL: 03-3831-7305
営業時間:6:00~20:00(最終受付は19:30)
定休日:月曜、火曜
アクセス:JR山手線・京浜東北線「御徒町」駅、大江戸線「上野御徒町駅」駅、東京メトロ銀座線「上野広小路」駅、千代田線「湯島」駅より、徒歩4分。
東京メトロ日比谷線「仲御徒町」駅より徒歩6分。
・「浅草寺の観音裏にある立派な宮造り銭湯」:曙湯(あけぼのゆ)
浅草寺の裏側をちょっと歩くと、ひときわ存在感を放っているのは、重厚感あふれる宮造り銭湯・曙湯である。昭和24年(1949)創業。手前(下部)が丸みを帯びたカーブの「唐破風」で、奥(上部)が三角に尖った「千鳥破風」となっている。これは、寺社仏閣や城郭建築でよく見られる建築様式で、東京型銭湯の特徴でもある。
曙湯の藤棚は、台東区の保護樹木に指定されている。これはかつて浅草の瓢箪池に植えられていた2本の藤棚のうちの1本で、昭和26年(1951)に瓢箪池が埋め立てられた際に曙湯に移植されたとのこと。4月下旬から5月頃になると、藤の花が見頃となる。
曙湯にまず一歩入ったら美しい格天井に注目してほしい。昔の職人さんの技術の高さに圧倒される。曙湯は、伝統ある古い老舗銭湯ではあるが、2010年に耐震補強工事を施しリニューアルした。その時に「番台」を廃止してフロントにしたり、バリアフリーにしたり、マイクロバブルジェネレータによる「絹の湯」を導入したりと、伝統を守る老舗の銭湯でありながら、現代の人々に愛される綺麗で快適な銭湯となっている。浴室の巨大な富士山の背景画も、よく見るとゴジラがいたり、スカイツリーがあったり、遊び心が溢れていて楽しい。
[曙湯の店舗情報]
住所:東京都台東区浅草4-17-1
TEL: 03-3873-6750
営業時間:15:00-24:00
定休日:金曜日
アクセス:東京メトロ銀座線「浅草」駅、東武線「浅草」駅、都営浅草線「浅草」駅より徒歩15分。つくばエクスブレス線「浅草」駅から徒歩6分。
・駅近!伝統と新しさを併せ持つ宮造り銭湯:東上野・寿湯(ひがしうえの・ことぶきゆ)
東京メトロ銀座線「稲荷町」駅から徒歩2分という駅近に、昔ながらの風情を感じることができる宮造り銭湯「東上野・寿湯」はある。1階入口の屋根にはカーブのある「唐破風」が付き、その上部に三角の「千鳥破風」が付いているザ・東京型銭湯の佇まいである。
いつも寿湯の前には、多くの自転車が停まっていて、その人気の高さが伺える。男湯には、都内一の広さを誇る露天風呂があることでも有名だ。
寿湯の背景画には、富士山とパンダやペンギンが描かれている。動物たちは上野動物園からやってきたのだろうか。
毎月新しいイベントを企画して、お客さんを飽きさせない心意気も幅広い層から愛される所以だろう。人気に甘んじずに、次々に新しいアイディアが飛び出してくる。次は何をしてくれるんだろうか、と期待がふくらみワクワクしてしまう。
駅から近く、入口の券売機は英語対応もあるからか、海外からの観光客にも人気のスポットにもなっている。
ちなみに現在の寿湯の建物は、昭和27年に再建されたもので、以前の寿湯の建物は戦時中に焼失してしまったという。昭和34年に現店長・長沼亮三さんのお祖父様(初代)が前のオーナーから寿湯を買い取って銭湯経営を始めた。現在は、3代目とのこと。台東区の多くの銭湯経営者たちは親から子へ、子から孫へと、その伝統を引き継ぎながら地域を支えている。
[東上野・寿湯の店舗情報]
住所:台東区東上野5-4-17
TEL: 03-3844-8886
営業時間:11:00-25:30(最終受付25:05)
定休日:第3木曜日
アクセス:東京メトロ銀座線「稲荷町」駅より徒歩2分。JR「上野」駅入谷口から徒歩7分。
公式HP:https://kotobukiyu.jp
SNS(インスタグラム): @kotobukiyu.ueno
SNS(X):@kotobukiyu1010
ポイント②「ユニークな特徴のある銭湯(4選)」
「銭湯」と一口に言っても、さまざまです。
ここでは特に、「この銭湯の、こんなところが他に負けない!」といったユニークな特徴のある銭湯をご紹介します。
- ひだまりの泉萩の湯
- 改栄湯
- 堤柳泉
- 日の出湯
・お風呂のテーマパーク!?駅近で都内最大級の銭湯:ひだまりの泉萩の湯(ひだまりのいずみ・はぎのゆ)
台東区に、東京都内最大級の銭湯があるのをご存じだろうか。JR「鶯谷」駅より徒歩3分という好立地に、2017年にリニューアルオープンした銭湯・萩の湯である。
なんといっても特徴は、その広さと、利用者の数の多さだ。ビル1棟が丸々銭湯になっていて、1階がエントランス、2階がフロントと食堂、3階が男湯、4階が女湯となっている。湯船も、露天風呂、炭酸泉、電気風呂、軟水風呂…と、さながらお風呂のテーマパーク。
お風呂から上がったら、2階の食堂へ行くと食事やお酒も楽しめる。こんなに贅沢なのに、銭湯なので入浴料は都内均一料金の520円(税込)なのも嬉しい。
[ひだまりの泉・萩の湯の店舗情報]
住所:東京都台東区根岸2-13-13
TEL: 03-3872-7669
営業時間: 朝湯6:00-9:00(最終受付8:00), 昼夜11:00-25:00(最終受付24:30)
食事処こもれび 11:00-25:00
定休日:第3火曜日
アクセス:JR「鶯谷」駅北口より徒歩3分。
公式H P: https://haginoyu.jp/
SNS(X): @haginoyu1126
・せっかく浅草に来たら天然浅草温泉に入ろう!:堤柳泉(ていりゅうせん)
堤柳泉は、天然浅草温泉の銭湯である。実は、長年天然温泉だと知らずに、地下水を汲み上げていると思って営業していたのだけれど、「何だか堤柳泉のお湯は違う」と言われて、水質を検査してみたら温泉だったとのこと。
2022年4月に天然温泉の認可を受け、源泉名「浅草温泉」として温泉銭湯になった。泉質は「カルシウム-塩化物冷鉱泉」で、一般的な水よりも硬度が6倍近くあるらしく、保湿力が高く、湯冷めしにくい泉質なのだとか。
建物はビル型で、1階の入り口で靴を下駄箱に入れたら、2階のフロントへ上がる。脱衣所もロッカーも広めで、ありがたい。地域の常連さんが多いので、洗い場では背中を流し合っていて、下町の人情味を感じることができる。
堤柳泉の名物店主・梅澤さんは、銭湯経営の傍ら、フルマラソンを2時間台で走る「サブスリー」と呼ばれる市民ランナーでもあるので、熱烈にランナーたちを応援する銭湯でもある。湯船の壁側には、店主のマラソン記録の数々や、新聞や雑誌に掲載された記事などが貼られているので、湯船でも退屈しない。
店主が結成した「ふろともランニングクラブ」もあるので、仲間が欲しいランナーの皆さんは、ぜひ一度訪れて欲しい。運動後の天然浅草温泉はまた格別に違いない。
[堤柳泉の店舗情報]
住所:東京都台東区千束4-5-4
TEL: 03-3871-2395
営業時間: 13:00-23:00 (日・祝は12:00-23:00)
定休日:月曜日
アクセス:東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅より徒歩10分。
東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅よりバスで「吉原大門」下車、徒歩1分。
SNS(X):@teiryusen
・プチ贅沢な極楽気分!下町のラグジュアリー銭湯:改栄湯(かいえいゆ)
1950年創業。「下町のラグジュアリー銭湯」をコンセプトに、2020年11月にリニューアル。源泉となる地下120mから汲み上げたまろやかな井戸水を軟水化装置に通すことで、都内屈指の高純度軟水を日々作り上げている。
お湯質としては、「美人の湯」と言われるほどにしっとりとしていて化粧水を浴びているようだ。湯船は、高濃度浸透炭酸泉、シルキーバス、バブルバスの寝湯などがある。男湯には女湯よりもサウナや露天風呂が広いが、女湯には最新式のシャワーヘッド、香りのいいシャンプー・コンディショナー・ボディソープなどが常備されていたり、女湯のサウナには日替わりのアロマ水が用意されていて嬉しい。
※サウナは別料金。
※タトゥー禁止。脱衣所には返却式のコインロッカーが置かれているので、100円玉を用意しておくと便利(フロントで両替も可能)。
改栄湯のオリジナルグッズもオシャレでオススメ!
[改栄湯の店舗情報]
住所:東京都三ノ輪2-10-15
TEL: 03-6897-2824
営業時間: 平日14:00-24:00 、土日12:00-24:00 (最終受付23:30)
定休日:第1, 第3, 第5金曜日
アクセス:東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅3番出口より徒歩3分。 JR「南千住」駅より徒歩9分。都電荒川線「三ノ輪」駅より徒歩7分。
公式HP: https://kaieiyu.com
SNS(X):@minowa_kaieiyu
SNS(インスタグラム): @minowa_kaieiyu
補足:現金の他に、電子マネー(交通系ICカード・PayPay・LinePay)可能。 タトゥーお断り。
・樹齢1000年以上!?古代檜風呂で楽しむ100%天然温泉銭湯:日の出湯(ひのでゆ)
日の出湯の魅力は、なんといっても100%天然温泉であるということと、その天然温泉を古代檜の浴槽で楽しめることだ。樹齢1000年以上の檜で作られた浴槽のお湯は、森林浴をしているかのようないい香りと共に、お湯の柔らかさを感じることができる。
創業年は江戸末期〜明治初頭と言われているが、定かではない。大正時代にはあったという記録はあるそうで、昭和14年から現在の経営者の家系が経営を引き継いだ。現在の日の出湯の建物は、ビル型で、2000年に建て替えたものだそうだ。
もう一つの日の出湯の名物は、湯上がりのミルクコーヒー。カフェさながらのおしゃれで本格的な飲み物を注文できる。
[日の出湯の店舗情報]
住所:東京都台東区元浅草2-10-5
TEL:03-3841-0969
営業時間:14:00-22:40(23:00までに退店)
定休日:水曜日
アクセス:東京メトロ銀座線「稲荷町」駅より徒歩2分。
公式HP:https://hinodeyu.com
SNS(X): @_hinodeyu_
SNS(インスタグラム): @asakusaonsenhinodeyu
ポイント③「地元に愛される隠れ家的な銭湯(2選)」
駅からちょっと離れると、観光客はあまりいないが、地域の人たちに根強く愛され続けている銭湯がある。観光地化してない、下町の原風景をぜひ覗いてみてほしい。
- 鶴の湯
- 帝国湯
・これぞレトロ銭湯の代表格!派手さはないけれど愛され続けてきた銭湯:鶴の湯(つるのゆ)
鶴の湯は、昭和2年に創業した風情漂うレトロ銭湯。正面入り口の鶴の彫刻絵がシンボルだ。建物は宮造り建築で、壁面は明るい水色に塗られ、過去からタイムトリップしてきたかのような迫力がある。
鶴の湯の背景画(タイル絵)は、海から朝日が昇り、水面や空が虹色に輝いている様が描かれている。浴室の天井は高く、内装も明るい水色を基調としているので、晴々とした元気な気持ちになれる。
お風呂上がりには、脱衣所の小さなお庭を眺めながら体を涼めたり、定番のコーヒー牛乳かフルーツ牛乳を飲みながら、ゆったりとした時間を過ごすのがオススメ。
[鶴の湯(浅草橋)の店舗情報]
住所:東京都台東区浅草橋5-27-2
TEL:03-3851-4569
営業時間:15:30〜23:30(23:30退店厳守)
定休日:土曜日
アクセス: JR総武線「浅草橋」駅より徒歩7分。
・薪でお湯を沸かすレトロ銭湯!お湯が柔らかくて冷めにくいと評判:帝国湯(ていこくゆ)
帝国湯は、薪でお湯を沸かしている数少ない銭湯である。薪で沸かしたお湯は柔らかくて冷めにくいと評判で、体を芯から温めてくれる。
時代の変化に伴って、ガスで沸かす銭湯が増えたため、ほとんどの銭湯で薪は使用しない。薪で沸かすのだから、煙突も健在だ。昔は、銭湯の煙突から黒い煙が出てきたら、開店の合図。帝国湯は昔の風情が溢れる懐かしい銭湯だ。
帝国湯の浴室の背景画は、ヨーロッパの雪山風景のような涼しげなタイル絵である。絵の由来などは不明。湯船は、2種類あって、それぞれ深さが違う。お湯の温度は42度〜44度。特に熱めのお湯が好きな人にオススメだ。
帝国湯には、昔ながらの「番台」がある。番台は、単に料金を徴収するだけでなく、全体を見渡し、窃盗防止や、急病人の救出などの重要な役割を担っている。実際、帝国湯のご主人は、お風呂で倒れてしまったお客さんを何度か助けたことがあるという。
扇風機が嫌いなお客さんが来れば一時停止してあげる、新聞を読みたいお客さんがいれば渡しにいく…。帝国湯に来ると、みんなで助け合って生きている、そんな下町の人々の姿が垣間見られる。
[帝国湯の店舗情報]
住所:東京都台東区浅草橋5-23-8
TEL:03-3851-2785
営業時間:15:30-23:00
定休日:月曜日
アクセス:JR総武線「浅草橋」駅より徒歩10分。
JR、東京メトロ、つくばエクスプレス「秋葉原」駅昭和通り口より徒歩12分。
<取材後記>
台東区の銭湯をくまなく回ったが、どの銭湯も隅々まで掃除が行き届いていて、清潔感があって感心した。お客様に少しでも気持ちよく利用してもらいたいという気持ちが伝わってくる。銭湯の数は年々減っているというが、常連さんと話をしてみると、「うちにはお風呂が無いからね、助かっているのよ」とおっしゃる高齢の方々とよく出会う。
見知らぬ私に、「熱くない?大丈夫?」と心配してくれる人や、「このパン、すごく美味しいのよ。食べてみて」とパンをくれたおばちゃん、「私は◯◯県で生まれて、10代で家を出て、ずっと一人暮らしだけど、銭湯にくれば誰かしら知り合いに会えるから寂しくないのよ」と身の上を話してくれるおばあちゃん…。
銭湯は、地域を支え、温かい人情に触れることができる素敵な空間だった。今回は残念ながらご紹介できなかった銭湯さんもたくさんあるが、どこも魅力的な銭湯だったので、ぜひ足を運んでみてほしい。
ライター/麻生子八咫(こやた)
活弁士・麻生八咫(あそうやた)の一人娘として生まれ、10歳の時に浅草木馬亭にて活弁士としてデビュー。
以来、台東区の温かい人情に支えられて生きてきた。
大好きな台東区の魅力をたくさん共有・発信していきたい。