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浅草でどぶろくを醸す「木花之醸造所」を見学しよう!

浅草でどぶろくを醸す「木花之醸造所」を見学しよう!

台東区内には、ワインやビール、クラフトジンなどのさまざまな醸造所がありますが、実はお米でできたお酒「どぶろく」の醸造所があるのをご存じでしたか?酒蔵を見学したあとに、その場でつくったお酒と、お酒にぴったりのおいしい料理も味わえます!
今回は、きき酒師でもある筆者が、蔵を見学させてもらいながら、お酒のつくり手に蔵やお酒の魅力をたっぷり聞いてきました。

その場で飲める&買える!浅草初どぶろく醸造所

  • 木花之醸造所(このはなのじょうぞうじょ)
    木花之醸造所(このはなのじょうぞうじょ)
  • 定番銘柄「ハナグモリ」
    定番銘柄「ハナグモリ」
浅草駅からすぐ、隅田川にもほど近い「木花之醸造所(このはなのじょうぞうじょ)」は2020年に誕生。
主に、米と米麹でつくる「どぶろく」や、フルーツを原料に使ったお酒を醸造しています。

醸造所の名前の由来は、台東区の区木である桜が咲くように美しい姫であり、酒造りの神様ともいわれる「木花之開耶姫(コノハナノサクヤビメ)」からきているんです。そのため定番銘柄「ハナグモリ」のラベルにも、姫の姿が!

こちらでつくられているどぶろくをボトルで買って帰るもよし、その場で飲むもよし。
バルが併設されているので、せっかくならお料理と一緒に楽しむのもおすすめです!

そもそもどぶろくって?

  • どぶろくの製造工程
    どぶろくの製造工程
  • どぶろくの製造工程
    どぶろくの製造工程
  • どぶろくの製造工程
    どぶろくの製造工程
  • どぶろくの製造工程
    どぶろくの製造工程
  • どぶろくの製造工程
    どぶろくの製造工程
どぶろくとは、米、米麴、水だけを使った日本古来のお酒です。
日本酒と全く同じ原料で、途中までの製造工程は同じ。
酒税法上、発酵させたあとに「ろ過」をするかどうかで区別しています。

ざっくり言ってしまえば、どぶろくをこす(ろ過する)と日本酒と酒粕になる、というわけです。

取材当日は、麹づくりの工程の日。麹のもととなるお米を蒸して冷まし、麹菌を植え付けるという作業を見せていただきました。
酒づくりにおいて、麹はお酒の味わいを大きく左右するといわれている大切な作業です。

併設のSAKEバルで楽しめる30種以上のお酒とのペアリング体験

  • お料理との「ペアリング」
    お料理との「ペアリング」
併設のバルではその場でつくられているどぶろくのほか、各地の日本酒、クラフトビールなど合わせて30種以上のお酒が楽しめます。
飲み比べで少量ずつ味わえるおすすめセットもありますよ。

なんといってもこちらで体験していただきたいのがお料理との「ペアリング」。
ペアリングとは、お酒とお料理を一緒に味わって相乗効果を楽しむことです。
季節ごとに、台東区ゆかりのお店の食材や、醸造過程で出た酒粕を取り入れたここでしか味わえないメニューがたくさん。
  • 「ちょいおつまみ盛り3品」(¥1,100)
    「ちょいおつまみ盛り3品」(¥1,100)
  • スペシャル飲み比べ
    スペシャル飲み比べ
この日の「ちょいおつまみ盛り3品」(¥1,100)は、
・入谷の太田ハムのベーコン盛り
・蔵の酒粕を使った酒粕ドライフルーツバター
・駒形の老舗「種亀」さんの最中に季節の白和えをサンド
と、旬の果物と地域のおいしいものがぎゅっと詰まっています。

スペシャル飲み比べは、左から
・江戸時代の煎り酒をヒントに、水のかわりに鰹だしを使って仕込んだ全麹酒「LAB02出汁パンチ」
・ホップを4種類使用した、目をつぶって飲むとまるでビール!?などぶろく「HAZY SAKE」
・大吟醸の製法で仕込み、限りなく米だけの味に近づけた「Daiginjo Methodしぼり 干支ラベル」

どれも他では味わえないユニークなお酒で、おつまみ盛りとも相性抜群でした◎
コラム
どぶろくの魅力
どぶろくの魅力

どぶろくには、麹(酵素)や酵母が生きたままの状態で入っているため、そのパワーを余すことなく身体に取り入れられるのが嬉しいポイントなんです。飲むことで腸活になるのはもちろん、美白・美容効果や体脂肪抑制効果まであるといわれており、身体の中から美しくなれますよ♪
ただし!アルコールなので、飲みすぎには注意してくださいね。

木花之醸造所の3つの魅力!

仕込み蔵は30㎡ほどとコンパクトながら、500Lのタンクが3つならび、本格的な醸造設備を備えています。
木花之醸造所の魅力を伺いました。
  • 外から見える醸造設備、ポイントは麹室!
    外から見える醸造設備、ポイントは麹室!
    入るとすぐに目に飛び込んでくるのが、大きな3つのタンク。
    この中でお酒を仕込んでいます。さらに蔵の注目は、タンクのすぐ隣にある、麹をつくる作業部屋「麹室(こうじむろ)」。
    麹は酒造りのなかでも特に味わいに大きく影響するといわれる原料で、木花之醸造所では蔵の中でつくっています。
  • どぶろくだけじゃない!まるでフルーツジュースなお酒も
    どぶろくだけじゃない!まるでフルーツジュースなお酒も
    定番は麹の甘やかな味わいの「ハナグモリ」のほか、焼酎に使われる白麹を使った、酸味の強い「ハナグモリ THE 酸」がありますが、それだけではありません。
    原料にホップやフルーツを使ったお酒も季節ごとにつくられます。
    2023年につくられた桃のどぶろくは、まさに桃をそのまま搾ったような果肉感で、大人の桃ジュースそのもの!ほかにも桜餅やヘーゼルナッツチョコのようなお酒など、味わい豊かなものが生み出されてきました。
  • 次世代の担い手の修業の場!
    次世代の担い手の修業の場!
    柚月さんは現在三代目の醸造長としてお酒をつくっていますが、過去の醸造長は木花之醸造所を卒業してから自分で酒蔵を立ち上げ各地で活躍中。
    少量ずつ多様なお酒がつくれたり自分のつくりたいお酒の味わいを追求したりと、試行錯誤しながら醸造できる環境ということもあり、木花之醸造所は次世代の酒づくりの担い手が育つ場所になっています。

醸造長・柚月さんにインタビュー!

  • 筆者
    筆者
    木花之醸造所のお酒の特徴を教えてください!
  • 柚月さん
    柚月さん
    バリエーション豊富でわかりやすいお酒、というのが特徴です。あとは、飲みやすいようにアルコール度数も抑えています。種類は定番のどぶろくやフルーツを使ったもののほかに、醸造長がつくりたいお酒である『LAB』シリーズというのがあり、そのシリーズは自分がつくりたいお酒の味わいやコンセプトを提案しています。
  • 筆者
    筆者
    今回LAB02出汁パンチを飲んだのですが、本当におでんの出汁割りを飲んでいるようで…面白い味わいでとてもおいしかったです。どこから着想を得たのでしょうか?
  • 柚月さん
    柚月さん
    元々熱燗は好きでしたが、出汁割りは酒の味が薄くなるような気がして。
    『どうにか美味しい出汁割りが飲みたい!』と試行錯誤を重ねた結果、仕込み水のかわりに出汁をいれたらおいしいのでは?という結論にたどり着きました。
  • 筆者
    筆者
    本当に柚月さんが好きなものを追及したお酒なんですね。とてもおいしかったですし、なにより愛を感じました!今後はどんなお酒をつくっていきたいですか?
  • 柚月さん
    柚月さん
    今は私のほかに3人作業してくれる仲間が増えたので、私一人だけよりもできることが増えるというか。
    定番のお酒だけじゃなく、これからは個性豊かなお酒がもっともっと沢山できるのが魅力なんじゃないかなと思っています。みんなの個性がお酒に表れるので、今後が楽しみです。
  • 筆者
    筆者
    最後に、飲んでくれるみなさんへの想いをお聞かせください!
  • 柚月さん
    柚月さん
    私たちがつくっているどぶろくやフルーツのお酒を「クラフトサケ」と呼ぶのですが、そこから日本酒を知ってくれるかたも多いんです。浅草という場所柄、観光客も多いので日本酒の入り口になれば嬉しいです。

浅草から世界へ!2024年シンガポールでのSAKEづくり開始

  • 木花之醸造所・細井社長(写真左)
    木花之醸造所・細井社長(写真左)
  • ORCHID Craft works ロゴ
    ORCHID Craft works ロゴ
木花之醸造所に続いて2024年、シンガポールでも醸造所「ORCHID Craft works」を展開し、シンガポールでは初めての日本酒の醸造を開始。これまでは日本でつくったものを輸出していましたが、今後は現地でつくりたての日本酒=SAKEを提供します。

木花之醸造所・細井社長(写真左)の生まれ故郷であるシンガポールの方々に、新鮮なSAKEを楽しんでもらうことを目指しているということです。シンガポールではどんなSAKEが誕生するのかも、注目です!

各種SNS

木花之醸造所、併設のバル「ALL (W)RIGHT -sake place-」の各種SNSで最新情報をチェック!

基本情報・アクセス・見学予約方法など

  • 木花之醸造所
    木花之醸造所
木花之醸造所

住所:東京都台東区駒形2-5-5 B1
<アクセス>
・東京メトロ銀座線・都営浅草線・東武「浅草駅」A2a出口より徒歩3分
・都営大江戸線「蔵前駅」A7出口より徒歩3分
・都営浅草線「蔵前駅」A2出口より徒歩6分


ALL (W)RIGHT -sake place-

<営業時間>
平日:17:00〜22:30(Food L.O.21:30 Drink L.O.22:30)
土日・祝:15:00〜22:00(Food L.O.21:00 Drink L.O.21:30)
<定休日>
月曜日、年末年始、店内作業などで臨時休業の場合あり

☆見学希望の場合、HPのお問合せフォームまたは食べログネット予約の備考欄にご記入ください。
ぜひお料理・お酒を味わいつつ見学してほしいので、食べログからの予約時に「設備を見学したいです」と一言添えるのがおすすめです♪

※本記事は2024年6月時点の情報です。最新の情報は公式サイト、公式SNSをご確認ください。
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コラム
ライター/石川奈津紀
ライター/石川奈津紀

台東区在住7年目。
きき酒師の資格を持つアナウンサーとして、酒蔵へのロケや日本酒イベントMC、お酒の造り手へのインタビューなどを行い、ライターとしても活動。
現在、朝の経済番組にレギュラー出演中。

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