
《上野・カチクラ》人気商店街と神社仏閣めぐり~シェアサイクルでポタリングのすすめ
東京の人気観光地「浅草」や「上野」を有する台東区。王道の観光施設はもちろん、下町風情漂うディープなスポットも点在し、知れば知るほど面白い街です。今回は上野・御徒町エリアから蔵前にかけて3つの「商店街」と周辺の神社等をポタリング。実は有名商店街の「佐竹商店街」「おかず横丁」「アメ横/アメヤ横丁」(正式名称は後述)は距離が近いため、自転車でのアクセスがとても便利です。ドラマや映画にもよく登場する商店街なので「聖地巡礼・ロケ地めぐり」がお好きな方も必見です。
自転車で観光をするメリット
自転車で観光をするメリットはなんといっても機動力の高さ。小回りがきく自転車は、複数の観光スポットをめぐったり、ふと気になった場所に立ち寄ることが車や電車などよりも容易です。また、徒歩よりも移動できる範囲が広く、速度を調整できる分、自分好みの店や景色にも出会いやすいです。
さらに、移動中に目に映るものや温度や風なども肌で感じられます。自転車に乗っていることで、自分とその街との距離が近づいたとさえ感じられることもあるのです。
また、台東区には有名な甘味屋も多く、食べることが目的のグルメライドもおすすめです。自転車で体を動かした後は甘い食べ物が恋しくなります。商店街の中や周辺にも甘味処や喫茶店がたくさんあるので、ぜひ探してみてください。
今回のポタリングルート
・移動は自転車がメインですが徒歩移動もあります。
・シェアサイクルのレンタルと返却場所は御徒町付近の同じポートを想定しています。
・アメ横を見学する前に自転車を返却し、徒歩で御徒町側から上野方面に向かいながらアメ横を観光します。
・各商店街は住民の生活圏でもあるので、撮影をする際は周囲の人やお店にご配慮をお願いします。
・商店街では自転車は手押しするか、1度近くのシェアサイクルポートに返却をしてから徒歩で向かうことを推奨します。
ポタリングで巡る3つの商店街
1.佐竹商店街
明治20年ごろにできた日本で2番目に古い商店街で、昔から盛り場(※今でいう繁華街)として賑わっていた「佐竹商店街」。商店街の名は、秋田の外様大名・佐竹家上屋敷の跡地であることに由来します。
佐竹商店街は、映画やドラマのロケ地としても使われているので、どこか見覚えがある方もいるかもしれません。作品をチェックし、出演者になりきって撮影シーンを演じてみるのも楽しそうです。(これまでにどんな作品が撮影されたのかが気になる方は、ぜひ「商店街名 ロケ地」で検索をしてみてください。)アーケードにデザインされたフクロウも愛らしく、思わず写真を撮りたくなります。
また、商店街が醸し出す懐かしい雰囲気もさることながら、個々の店舗も魅力的です。私のお気に入りは自家焙煎珈琲生豆専門店や持ち帰り寿司専門店、昔ながらの喫茶店など。歴史を紡いできた商店街は今も現役なので、買い物、食事、お茶などを楽しんでください。
佐竹商店街 基本情報

住所:台東区台東3-28-4
電話番号: 03-3831-8926
最寄駅:大江戸線・新御徒町駅から徒歩約5分
2.おかず横丁(鳥越本通り商盛会)
おかず横丁の愛称で知られる商店街の正式名称は「鳥越本通り商盛会」。かつては町工場が集まるエリアで、家族みんなで働く家庭が多かったため、食事の仕度をする時間を短縮できる惣菜店が増えたのだとか。
関東大震災で焼け残った家屋や看板が今も残るレトロな雰囲気が、ロケ地としても人気があります。
ノスタルジックな写真を撮りたいときは、日が傾く時間帯を狙ってみましょう。私は鳥越神社の大祭(鳥越祭)で賑わった日と普段の日、それぞれを撮影してみました。
おかず横丁(鳥越本通り商盛会) 基本情報

住所: 東京都台東区鳥越1丁目
最寄駅:都営浅草線・蔵前駅から徒歩約9分
3.アメ横/アメヤ横丁(アメ横商店街)
アメ横商店街、通称アメ横/アメヤ横丁は、今回ご紹介している商店街の中でもずば抜けて有名で規模が大きく、JR上野駅と御徒町駅の間約500メートルのエリアに400以上もの店舗が集結しています。
貴金属店、化粧品店、ステージ衣装やスカジャンなどの専門衣服店、スポーツ用品店などバラエティに富んだ店があるため、訪れる人の年齢や性別、国籍も千差万別です。
かつて、私が趣味のダンスで履くダンスシューズの取扱店(都内でも希少)を調べていたら、アメ横に店舗があると分かり、無事試着をして購入したことがあります。
アメ横にあるスポーツ店は、通りに面した1階では、Tシャツなどの一般的な商品を販売していることが多いので気付きにくいですが、実は専門性がかなり高いです。というのも、私がダンスシューズを購入した店も、スイム、テニス、スタジオエクササイズ専門など、各フロアが競技ごとに細分化されています。
スポーツがお好きな方は、ぜひ店舗の2階以上も覗いてみてください。
また、アメ横といえば年末の風物詩である鮮魚店が並ぶ一角がある一方、イートインスペースが設けられたケバブ店などもあり、近年は食を目当てに訪れる若者が増えたように感じます。
アメ横/アメヤ横丁(アメ横商店街) 基本情報

住所:東京都台東区上野6-10
電話番号: 03-3832-5053
最寄駅:JR上野駅不忍口・JR御徒町駅北口などからすぐ
《今回の寄り道スポットまとめ》開運スポット「鳥越神社」ほか
今回は、佐竹商店街→ おかず横丁→ アメ横の順に商店街をめぐっていますが、実は3つの商店街の近くには、もれなく神社仏閣があるのです。神社仏閣は地域の守り神であり生活と密着する存在のため、人が集まる商店街と共存してきたのかもしれないですね。こんな気づきに導かれながら、立ち寄ってみました。
・秋葉神社
「佐竹商店街」からすぐ:台東区台東4-21
通称は佐竹秋葉神社で、鳥居と本殿だけの小さな社です。(台東区には他にも同名の神社があります)
・鳥越神社
「おかず横丁」の近く:台東区鳥越2-4-1
毎年6月上旬に行われる鳥越神社例大祭(鳥越祭)は例年約数十万人の人出があり、多くの観客で賑わいます。
https://t-navi.city.taito.lg.jp/spot/1017
・日蓮宗妙宣山徳大寺
「アメ横」内:台東区上野4-6-2
仏教の守護神である開運大摩利支尊天を奉安することから、摩利支天徳大寺とも称します。
https://marishiten-tokudaiji.com
シェアサイクルを利用するときの事前準備
1、シェアサイクルの運営事業者を調べる
参考:台東区のシェアサイクルについて(台東区)
https://www.city.taito.lg.jp/kenchiku/jitensha/rental/sheasaikuru.html
2、アプリのインストール
貸出ポート到着後でもできますが、アプリから予約できるものも多いので事前にインストールしておくことをおすすめします。
3、自転車の予約
スタート地点に近いポートの自転車を予約する、もしくは近隣ポートの自転車数・種類を確認しておきます。
借りたいポートに自転車がないと借りることができません(写真参照)。
電動アシスト車を借りる場合はバッテリー残量も確認することをおすすめします。
4、返却
返却をしたいポートに空きがないと返却をすることができません。(2枚目の写真を参照)
返却前に時間の目処がたつなら予約をしましょう。
また、シェアサイクルは1日に何度も借りたり返したりできます。返却をした場所の近くで再度借りる可能性がある場合、近いポート・借りられる自転車台数に余裕があるかをあらかじめ確認しておくと効率的です。
5、ヘルメットの準備
シェアサイクルにはヘルメットの貸出しはありません(レンタサイクルショップで借りるときは貸出用ヘルメットがある店もあり)。
着用は努力義務ですが、自分の身を守るために持参しましょう。
参考:自転車用ヘルメットの着用(警視庁サイト)
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/helmet.html
6、コースと交通ルールの確認
自転車に乗りながらのスマホ操作は罰則対象ですし、何より危険です。
道は覚えておくか、停車をしてから地図を確認しましょう。
また、自転車は車両扱い(軽車両)です。信号の渡り方も徒歩とは異なるので、あらかじめ自転車の交通ルールを確認してください。
参考:自転車の交通ルール(警視庁サイト)
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/jikoboshi/bicycle/menu/rule.html
《まとめ》
最後に、サイクリングとポタリングの違いについても触れておきます。
サイクリングは、自転車に乗って目的地を目指したり、スポーツとして長距離や高速走行などを楽しむことを指します。ポタリングもサイクリングのひとつですが、気ままに自分のペースで探索を楽しむことに主軸が置かれています。
この記事では、商店街を目的地に定めつつ、神社仏閣に立ち寄ったり写真撮影を楽しみました。同時にグルメライドやロケ地めぐりもできます。観光をする際には、目的地やスケジュールは詰め込み過ぎず、準備をしっかり、時間に余裕を持っておでかけください。そうすればきっと想定外の面白いことや、知らなかったお店や景色にも出会えるはずです。
ライター紹介/成海まお

旅や食のライターをしている”まお”です。
下町の風景とモノづくりが好きで蔵前や稲荷町に住んでいました。
浅草・上野・蔵前の地元情報から台東区内の名所・新名所・穴場スポットまでディープな魅力をガイドします。